【失敗談】没になったゲームのお話

Noice Kit.の独り言

これは脱出ゲーム3作目を制作していた頃の話です。
モアイのゲーム、駄菓子のゲームを無事リリースできた私は、脱出ゲーム制作において、少しずつ自信が湧いてきました。
変に慣れた気でいたせいで、3作目は元々頭の中にあった構想をそのまま下ろしてきて、計画書も深く固めずに出発させてしまいました。
それが没になったタイトル。
名前は「脱出ゲーム 黄金の像」です。
タイトルからでは全然内容が想像できないと思います。私はゲームを作る時にタイトルから先に考えるタイプ(終盤ぐらいでタイトルは変更することが多い)ので、タイトルをつけたはいいものの全体像の30%しか考えられてなかったと思います。このゲームのことをざっくりと解説します。
「探検家の主人公が、見たものに幸運をもたらす黄金の像がいるという都市伝説を信じて、探し出そうとするストーリー」
確か3ステージあるダンジョンを進めていく形式で、脱出ゲームにしては珍しいボリューミーなステージ設計を想定していたと思います。
そんな計画性もないまま制作を走らせたゲームは最初こそうまくいったものの、だんだん雲行きが怪しくなっていきました。
「なんだこのぐちゃぐちゃした世界観は・・・」
私は薄々このゲームは面白くないかもしれない・・・とよぎりながらも、1ステージは作ったし、ここで辞めたら全てが無駄になるとの思いから、あの手この手でこのゲームをゲームを良くしていく方法を模索しました。希望を持っては折れ、そして希望を持っての繰り返しだったのですが、一番やばいと思ったのは
「私の技術だと・・・ぞ、象が作れない」
最終のボスキャラ的な存在感で象を登場させる予定だったので、生半可な象では作品が締まりません。
この頃は、ただでさえ簡単なオブジェクトしか作れなかったので、リアリティのある生き物を作る難しさを全然理解できていなかったのです。

このことから私は3作目を諦め・・・

きれませんでした!

理由としては1ステージを完成させただけで、かなりの労力がかかっていたからです。絶対完成まで持っていく、そう思った私は納豆の如しの粘り強さで、2ステージ目に突入しました・・・そこから格闘が続きました。

象の問題が解決しないまま2ステージを作ること数日・・・私はサウナ(テルマー湯)に行きました。サウナの店名、覚えていたので記録としてここに記させて下さい。
そのサウナで私は自分自身と見つめ合い、作品と向かい合いました。

「・・・このゲームはどうやっても理想の面白さに辿り着かないな」

遅すぎましたが、私はやっと冷静になりました。この時、妙にスッキリしたのを覚えています。頭のどこかでずっと危険信号を送っていたのだろうと思います。
決断をしてから行動は早く、今度は計画者をしっかりと書き、次なるテーマを決めました。
それが「サウナの鍵穴」というゲームです。
サウナを舞台にしたゲームで、これならば作れると、計画書も最後までしっかりと書きました。サウナでの決断がきっかけとなり、生まれたゲームです。サウナ愛を込めたのでみなさん遊んで頂きたいです!!

今回ゲームを没にした体験を振り返って学んだことが2つあります。
1つは、計画なく物事を進めない
2つは、のめり込んでいる時こそ、客観的になる
3つは、諦めることも戦略
です。初歩的ですが、この時に学んだことは現在の私にとても生きています。ありがとう「黄金の像」そしてさようなら!!

思ったより長文になってしましました。すらすら書けたので、心からの葛藤が多くあったんだと思います。
ここまで読んでくださいまして、ありがとうございました!!
以上、没になったゲームのお話でした。

Noice Kit.

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